書かれた、晒された、消したい
ネットの投稿への対応は、消すことと、書いた人を特定することの二つに分かれます。特定に必要な通信記録は3か月ほどで消えることが多く、時間がいちばんの制約です。
掲示板やSNSに事実と違うことを書かれた、私的な画像をばらまかれた、なりすましのアカウントを作られた、店や病院に嘘の口コミを書かれた——こうしたご相談です。
まずやるべきことは、証拠の保全です。投稿のURL、スクリーンショット、表示された日時。投稿が消される前に、また相手が消す前に、これを残しておく必要があります。そのうえで、削除を求めるのか、書いた人を特定して責任を追及するのか、その両方かを決めます。
書いた人を特定する場合は、時間との勝負になります。誰が投稿したかを辿るには通信記録が必要ですが、事業者がこれを保存している期間は3か月程度とされることが多く、それを過ぎると特定は事実上できなくなります。手続としては、令和4年10月から、裁判所に発信者情報の開示を命じてもらう「発信者情報開示命令」が使えます(情報流通プラットフォーム対処法8条)。それ以前は、サイト運営者と通信会社に対して二段階の手続を踏む必要があり、時間がかかっていました。
削除については、令和7年4月から新しい仕組みが動いています。総務大臣に指定された大規模なプラットフォーム事業者は、削除の申出を受けた場合、原則として7日以内に調査結果を申出者へ通知しなければなりません(同法25条1項、同法施行規則16条。法律が定める上限は14日で、省令で7日と定められています)。申出の受付方法も、どういう場合に削除するのかという基準も、あらかじめ公表することが義務づけられています(同法22条1項、26条1項)。
指定を受けた事業者が提供するサービスには、X、Instagram、Facebook、Threads、YouTube、TikTok、LINEオープンチャット、LINE VOOM、Yahoo!知恵袋、Amebaブログ、ニコニコ、Pinterest、爆サイ.com などが含まれます。つまり、主要なサイトについては、基準に沿った申出をすれば期限内に回答が返る建前になっています。逆にいえば、何がどの権利をどのように侵害しているのかを、公表された基準に沿って書けているかどうかで結果が変わります。
企業や医院からのご相談も承ります。事実と異なる口コミへの対応、従業員による投稿、いわゆる炎上時の初動。どこまで法的に動けて、どこからは動かないほうがよいのかを整理します。
ここに当てはまらないご相談も、まずお話を伺います。所属事務所の他の弁護士や、より適した窓口のほうがよい場合には、そうお伝えします。